10月26日、ゆうばり再生市民会議主催による「認知症学習会」が開催され、市民30人ほどが参加しました。
講師は砂川市立病院認知症疾患医療センター長であり、NPO法人 中空知・地域で認知症を支える会 理事長の 内海久美子先生です。
最初に長門裕之・南田洋子ご夫妻のスライドを映されました。
「介護される人も、介護する人を支えられる」洋子が僕の世話になっているように、僕も洋子によってたくさんのものを与えられている
このことを、まず忘れないで・・・と話し始めました。
最新の認知症検査 SPECT(従来のCTでは表わせなかった血流量や代謝機能の情報が得られるため、とくに脳血管障害や心疾患の診断で威力を発揮します) についても説明され~外来は3カ月待ち~でも2泊3日の入院検査なら、それほど待たずにできます・・・とのこと。
「ご家族がおかしい~と思っても、患者自身が大丈夫といい張って、受診を拒む場合も多いので、そんな時には・・・」
認知症ケアの基本 ― 本人理解がケアの基本
…認知症の人の心理、体験している世界…
●わからないことの連続 → 不安と混乱
思い出せない、何かがおかしい
考えても考えてもわからない
●家事や仕事の失敗 → 自尊心の喪失
自信がなくなる、孤独、あきらめ
●現実の世界についていけない → 焦燥・恐怖
周囲とのずれ、戸惑い、焦り、苛立ち
●自分自身が壊れていく → 強い恐怖
認知症を持ち、懸命に自分らしくありたいと願っている姿
・楽しい、普通の話題で会話を始める
・共感的な笑顔で、声かけ誘導はゆっくりと
・声量は低く、かつ柔らかな大きな声で
・目線はその人より低い位置から
・相手の話には相槌を打ちながら、相手の言葉を要約してこちらの理解があっているか確かめる
・情報を伝えるときは、やさしい言葉でひとつづつ
・言葉だけではなく、しぐさ・眼差し・態度などで「安心」「楽しさ」「嬉しさ」の感情面に働きかける
秘められている様々な可能性
・五感が鋭く残っている
・情感は豊かに残っている
・昔の記憶は宝物
・身体で覚えた記憶力の威力
たくさんのお話のほんの一部分をご紹介しました。
最後に、『認知症は90歳前後になると8割以上の方が発症します。でも、五感や情感は鋭く豊かに残っている。ぜひ、夕張市も安心して認知症になれる地域づくりを目指してください』と暖かいエールをいただきました。
内海先生、お忙しい中本当にありがとうございました。認知症にはならないことが一番ですが、なっても安心して暮らせる街づくりを目指したいと思います。