最近、ようやく元気に顔を出したフキノトウ・・・ でもまだ、寒い日が続いている夕張です。
5月1日のメーデー集会で安倍総理が急いで実施したいと思っている「日本国憲法の96条の改定について」わかりやすい話をしてほしいと、依頼がありました。
昔取った杵柄(きねづか)で「小学生の高学年や中学生にもわかるような話を組み立てよう」と心に決め、インターネットや新聞で資料を探し、読み込んでいるうちに、4月27日のNHK「ニュース深読み」で「日本はどうなる―いま考える憲法改正」という番組があることを知り、録画しながら視聴しました。パネルもイラストをふんだんに使い、とてもわかりやすい番組でした。
さまざまな資料やNHKの番組、新聞記事等から組み立てたお話を簡単にご紹介します。
「憲法」と「法律」の違いは?
「法律は国民が守らなければならないことを定めている」のに対し、「憲法は国民が国に守らせるもの」で、『権力の横暴を縛るためのもの』というのが違いです。
日本国憲法の特質は?
「国民主権・平和主義・基本的人権の尊重」の3つです。 国民主権は、何でも国民全員で話し合って、物事を決めればよいのですが、多すぎて無理なので、選挙で代表(国会議員)を選びます。
さらに国会で代表が選ばれ、大きな権力を得ます。
それで、権力を乱用しないように、第14条法の下の平等、第21条言論・集会・結社の自由などを定めています。
平和主義は二度と戦争はしないということで、第9条に。
基本的人権の尊重は「人が生まれながらに持っている権利」等など。
憲法を尊重し、擁護する義務
第99条に天皇や国務大臣、国会議員その他公務員が憲法を守る義務が明記されており、国民の文字はありません。
第96条の重要な意味
国民に多大な犠牲を強いた戦争を反省し、二度とくり返えさないために、諸外国の制度を深く研究して、両院3分の2の賛成と、国民投票の過半数で憲法改定の制度を96条として定めました。
米国では憲法が6回改定されましたが、上院と下院で3分の2以上の議員が賛成し、さらに、50州議会の4分の3の賛成が必要です。
ドイツは59回改定され、手続きは連邦議会で3分の2以上など、諸外国でも厳しく規制されています。他の国々と同じように、国家権力を持つ人が、憲法を簡単に自分の都合のいいように変えてしまうことができないように、両議院の3分の2の賛成と、国民投票の過半数と決めてあるのです。
政権の座にある安倍総理が、96条の改憲を言い出すのは、あまりにも非常識ではないかと、改憲派の学者からさえも声が上がっています。「独裁政治を早く作り、国民に有無を言わせず戦争できる国に変えて行きたい」という思いが見え見えです。
よくいわれる「GHQの押しつけ憲法fでは?」という疑問には国立国会図書館のこのページをどうぞ。
自民党の憲法改定草案(昨年4月27日決定―詳細はここをクリック!)
●第1条では、天皇は日本国の元首であり、…(国民主権の精神から大きく後退)
●第9条の2項には…国防軍を保持する。
●第12条では国民の責務として…常に公益及び公の秩序に反してはならない。(戦前の治安維持法の性格を持たせる内容に)
「つまり、平和主義から戦争をする国に、また、そのために、公益の名目で(権力者の判断で)「国民の自由をいつでも制限できる仕組み」を作り上げようとしているのです。
現在、衆議院では自民党、維新の会、みんなの党を合わせた改憲派の議員は3分の2以上になっています。しかし、参議院では、2分の1にも至りませんが、7月の参院選では改憲を争点として打ち出してきます。」
自由や権利は、国民の不断の努力が
「7月の参議院選挙まで残り3カ月。 憲法第12条には、憲法が国民に保障する自由や権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならないとうたわれています。
私たちの自由を守る憲法を、大いに語り、広げて、平和憲法を守り、TPPや原発にはしっかりと反対する人を、私たちの代表として、国会に送り出すためにがんばりましょう」とお話をしました。
5月1日当日は雪もちらつく寒い日でしたが、50人ほどが集まった会場からは、「よ~くわかったね!」「とてもわかりやすかったよ!」等の声をかけていただき、心がほっと温かくなりました。