黄色いハンカチから平和憲法へ

前回、香山リカさん(精神科医)の「イラク派兵を感情問題にすりかえて、追認していることが問題。」というコラムと、山田洋次さん(映画監督)の「黄色いハンカチが派手でイベントのようになる中で、イラク派兵が憲法違反ではないかという重要な論点が消えてしまうのが不安」というコメントを紹介しました。

その黄色いハンカチ運動が、ある自衛官の一言から端を発し、自衛隊OBを通じて経済人有志が触発される形で始めたこと、そして旭川のみならず、東京では「海外派遣自衛隊員を支援する国会議員の会」が発足。

案内書には旭川同様に「派遣の是非を論ずるのではなく、自衛隊員が無事に帰国することのみを切望し・・・」と。イラク派遣反対を主張した民主党の三十一人を含む超党派の国会議員で、現在約二〇〇人を超える。

山口二郎教授(北大大学院)は、石破防衛庁長官までも名を連ねる会について、「ブッシュの戦争に加担したという批判を封じ込めるため(派遣の是非論から隊員の無事を祈る心情論に)問題をすりかえた」そして「自衛隊員たちは(国会議員に対する批判の)弾よけに利用されている」と運動の政治利用を批判。

吉田裕教授(一橋大大学院)によると、開戦後戦争追認の流れが強まるのは、日本に限らない現象だが、「常に本質的な問題を考え直さなければいけない。無事に帰ってきてほしいという心情論だけに流されてはいけない。」(三月八日付道新より)

・・・「人類進化の歴史がDNAに刻まれているとすれば、人類の英知の歴史は憲法にこそ刻まれていると言うべきでしょう。」これは一九九五年九月の第四回憲法国際学会世界大会でのある挨拶の一節です。

いま、憲法がとても軽く扱われています。 (中略)日本国憲法には、この国の過去を踏まえながら未来を見通した様々なメッセージが包み込まれています。それを再発見し、読み解くことは、この国の将来のためにとても大切なこと。複雑な国際環境のもとで、この国が誤ることなく歩んでいくために(後略)・・・水島朝穂教授(早稲田大学)HPから。

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