12日、三笠サンファームにおいて、参議院議員紙智子さんを迎え、「過剰米を考える緊急集会」が開かれました。
狭い会場に100名を超える参加者で、 “むしろ旗”には「1俵3千円では生活できない」「輸入制限で自給率引き上げを」「価格保障で米を守れ」の文字。
「米は豊作なのに、喜べない・・・」農民の怒りの声が次々と会場に響きわたります。
昨年から始まった米対策、作況指数が109となった空知は、集荷円滑化対策の発動で、農家が作付面積の9%を1俵たったの3000円(出荷の三分の一以下)で処理しなければなりません。
大規模生産者が多い空知では、100俵を越える農家も少なくありません。
また、過剰米処理で価格が回復するという保障はありません。
参加した農民の方たちは、「豊作を喜ぶことができない」、「異常な状況を何とかしてほしい」と、訴えました。
昨年産の米価で農家1時間あたりの報酬は補助金を入れても483円。高校生のバイト代を下回ります。今年産も空前の安値で、大規模農家も「もう続けられない」と悲鳴を上げています。
紙智子参議院議員のお話から、農業においても、小泉自民党の構造改革、「弱肉強食政策」が国民を苦しめている実態が明らかになりました。
備蓄水準が16万トンも下回っている状態にあり、過剰米とされる9万トンを買い入れることは政府の責任で、その費用はわずか225億円です。
市場原理にゆだねた「売れる米作り」の米改革は、小泉改革そのものであり、集荷円滑化対策の発動は生産者に「米作りをやめろ」というものです。
一方でコメの最低輸入機会(ミニマムアクセス)提供義務で毎年77万トン輸入している米の在庫は170万トンまで増加し、その保管経費は100億円かかっています。
輸入しながら減反と過剰米処理を農民に押し付ける米改革、小泉構造改革は、日本農業を存亡の危機に追い込んでいます。
消費者の方からは、日本の食糧自給率をたかめ、安全でおいしい地元の米を守るために、
農民と住民の団結が必要ではないかとの発言に、大きな拍手が起こりました。
全会一致で次の緊急決議が確認されました。
1、集荷円滑化対策の発動を中止し、適正在庫の100万トンの政府買い上げを早急に行うこと。
1、ミニマムアクセス米の在庫は海外援助などで国内流通から隔離するとともに、輸入を削減すること。
1、兼業などの零細農家を排除するこめ改革は中止し、価格保証で食料自給率の引き上げを早期に実現すること。
1、食料主権を確立し、農産物の輸入を削減すること。
食料自給率は先進国でも最低の4割。備蓄米は「古」がいくつもつくほどの超古米。
農民たちが汗水たらして作った米を、二束三文出荷させる、農民の生活保障もない、こんな無策な農政を進めていいのでしょうか。
国民の9割近くが「食料自給率の大幅向上」を求めています。安全・安心な地場農産物を求める消費者の声も切実です。
農家のみなさんと地域住民、消費者が力をあわせ、地域農業を守る取り組みが求められています。
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