#鈴木直道 前市長の足跡を振り返る~「国などの責任を一切棚上げし、住民自治も棚上げした」鈴木前市長+3/13大幅加筆!

    今、北海道知事選挙が注目を集めるなか、夕張市長を2期務めた鈴木直道市政を振り返ってみた。

忘れられない議会でのやり取りがある。

「300億を超す借金は本当に妥当か検証し直すべきではないか」という質問をした時、「そのような考えはございません」と小さな声で冷たく言い放った。

その質問が終わった議員控室で、藤倉議員【前市長】が、「熊谷さん、僕が市長のとき、どうして議会にいてくれなかったのさ。全く同じ意見だよ。感動した!」「おかみに逆らわず、黙っていいなりになっていれば、最大限の支援を受けられるというのは、黙って牢屋に入っていれば三食、食べられるからそれでいいというのと同じだ。それで良いわけがない!」と断言した。

その藤倉前市長が任期後半の市民との意見交換会で、次のように語った。

「スポットライトが当たっている舞台には国も道も企業も銀行もいた。しかし、幕が下ろされたら、舞台に残っているのは夕張市だけ。(責任を取らされるのは夕張市だけ)こんな馬鹿なことがあっていいはずがない」

ここで、私たちは夕張問題で大きな展開が見込めると期待したが、その後、産廃建設計画が明るみに出て、私たちが起こした反対運動に藤倉市長も賛同し、最終的に産廃計画は撤回させたが、その結果として産廃を推進していた団体等からの支持を失い、鈴木直道氏に市長の座を譲ることになったと聞く。

財政破綻以降、市は総務省や道庁からの職員派遣によって、種々の情報やアドバイス、地方創性の補助金を優先的に受け、様々な政策を打ち出すことができたが、多くが地方創性の事業である。

鈴木氏の実績としてHPでトップにあげられている「一部地域で人口の社会増実現」~これは、老朽化市営住宅を廃止して、市の中心部に(コンパクトシティ政策と銘打って)集中して市営住宅や民間賃貸住宅の建設を促進したため、その地域の人口が増えたということ。

住宅のつくりは、市民の要望を最大限生かし、コミュニケーションの取りやすい炭鉱長屋形式。市民の要望を受けて空知振興局での交渉で一市民であった私が要望した「玄関前の除雪が不要」なアーケード付き。派遣されていた道職員などのエキスパートが関わり、市有林のカラマツ材も使った。

藤倉市長時代に建設が決まり、鈴木市長になってから完成し、公営住宅の建て替えによるバリアフリー型の無落雪住宅の建設では「北の地域住宅賞」最高賞の知事賞を受賞(2013年)したが、それも、鈴木市長の実績と紹介されている。

「売上減少傾向のメロンを海外輸出などでV字回復」ではなく、ふるさと納税の返礼品にしたことで、売り上げ回復に。(海外輸出は日持ちがせず、一部業者を除いて撤退。)

ズリ山からの石炭採取も、薬木も、情報をキャッチした職員や担当した専門の職員の実績であるはず。

そういった事業にGOサインを出したのは、鈴木前市長に間違いはないが、私は職員が本当に頑張ってくれたと思う。

博物館については、財政破たんの折、市内外からの「世界的な価値のある博物館を必ず残して!」という市民運動がおこり、私も残すことはもちろん、「博物館は観光施設の位置付けではなく、社会教育施設に」ということも含め、議会で要望してきた。入館料を自分で決めてもらう試みの発想は指定管理者の「炭鉱の記憶事業団」の発案のはず。勿論、OKを出したのは鈴木前市長だろう。

小中高の一貫教育というのは、「マンツーマン英会話」だけで、他のことはまだできたという報告は受けていない。

「企業版ふるさと納税」も「ガバメントクラウドファンディング」も国の金を使わず寄付を求める。『公共』とは無縁の企業や個人の意思による出資―費用が充てられるのは子どもたちの教育や、市民の集まる複合施設。疑問を感じるが、ほかに原資はない。

公共施設という必要なものをつくるのに寄付を求めなければならず、寄付がなければ建てられないことに違和感を感じるのは私だけだろうか?

寄付社会を推進する道具にされているように感じるのは私だけだろうか?

大企業や超富裕層にも収入に応じた税を公平に負担してもらい、それぞれから税金を集め、それをを使って公共を守っていくのが本来の平等な姿であると、私は考える。

同じ国民でありながら、夕張市民だけがなぜこんなに我慢を強いられるのか。それは、夕張財政破綻の責任問題~歴代の総務大臣が「国にも責任があった」と国会で発言しているのに、それがうやむやにされたまま、赤字返済の費用は国から来て、市民にたくさんの我慢を強いながら市が返済しているという不思議な状況がつづいているからではないのか?市民がそんなに悪いことをしたのか?

それを考えれば沖縄も福島も、同じように国家権力の横暴であり、国民の無関心、多くの無責任によって権力の横暴が許されているのではないだろうか。

そういう横暴をただして行くのが、主権を持っている国民の選挙権のはずだ。

この知事選が、いみじくも夕張の実情を知ってもらういいチャンスになったと思う。

以上、見てきたように、夕張市を「課題解決先進地のモデル」にするべく、総務省・道・市職員が必死で打ち出した政策が鈴木氏の実績として紹介されている。勿論その通りだが、現場ではたくさんの職員が困難を乗り越えて頑張ってきた結果であると私は思う。

2016年夏の「JR攻めの廃線」に至っては、非公開の場で「なぜ、議会や市民に相談もなく決めてきたのか」と問いただしたところ、「さまざまな方からご助言をいただいた」との答弁。(まるで外からの大きな誘導があったとしか思えない。)

さらに3月7日の新聞報道では、「高橋知事が後継に見染めたのが17年ごろ、その後、菅官房長官に相談し知事選を選択肢に…」とある。(どれだけ高橋知事や菅官房長官と親密なのか、また、それをためらいもなくマスコミ取材で話すことにも驚いた。)

政府・与党との強いつながりが自分の強みと考えているとすれば、地方自治とは一番遠い場所にいるはずだ。まさに、マスコミで言われている通り「国と地方の関係」が争点になる選挙だろう。

「国の責任を問い直し、住民自治、地方自治をつくろうとした」藤倉市長の後継として当選したが、国等の責任を棚上げし、一番大切な「市民の誇りの回復」と「自治体の自治権の回復」を棚上げにしたまま知事選に立候補の鈴木氏は、藤倉市長の後継などではなく、官邸・道いいなりの政治家にしか見えない。

自民党・公明党に推薦された知事の立場で、危険な原発に反対し、道民の誇りを守れる地方自治など、望むべくもあるまい。

野党と市民の共同で、「自治の棚上げ」を断行した鈴木市政8年を道政で繰り返させてはならない。

2016年8月のシンポジウムの概要も是非お読みください★(3/13大幅に加筆 図の赤字は筆者が加筆 3/12若干加筆。写真は私が写したもの、図については市の資料より転載。それぞれクリックすると拡大画像になります。また8/29のシンポジウムはその記事のブログへリンクしています。是非、ご一読ください。)


9 thoughts on “#鈴木直道 前市長の足跡を振り返る~「国などの責任を一切棚上げし、住民自治も棚上げした」鈴木前市長+3/13大幅加筆!

  1. kumakei 投稿作成者

    琵琶玲玖(山田克二)様
    ありがとうございます。北海道も全てのまちも地方自治をしっかり守りたいものです!頑張りましょう!!

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  2. 山田 春樹

    そもそも炭鉱の町で税金を湯水のごとく使い、借金しても自治体は潰れないと、豪語していた中田市長、それを取り巻く利権やら。バリバリ夕張の遊園地のCMソングが懐かしい。

    炭鉱の町ゆえの惰性をなくし、住民がサービスの対価や借金返済にとりくんでこそ、新し物づくりも長生きできる。

    夕張が破綻するまでに、内実的な自治があったのか、
    まったくもってあやしい。たかりと傲慢でしょ。

    返信
  3. kumakei 投稿作成者

    山田春樹様
    コメントありがとうございます。夕張市は炭鉱産業が全て消え去り、そのあとの雇用問題を解決するために観光産業に取り組みました。国もリゾート開発を推進していましたから、様々な駆け引きもあったことでしょう。夕張市が財政破綻した時には、研究者の方たちから「地域の住民自治が成熟していないのも大きな要因」と言われました。まさにその通りだと思います。だからこそ、私自身は「住民自治で夕張再生を」と訴えて、市政にかかわってきましたが、産廃処分場建設の反対運動には、市民の半数以上の署名が集まり、自治意識が成熟しつつあると感じたところでした。民意を大切にしてくれた藤倉市長の後継と自認していた鈴木市長には、それを引き継いでほしかったのに、そこが非常に残念です。

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  4. ふじさん

    こんなロジックは成り立たない。考えて頑張ったのが職員だとしても、決めるのは市長です。
    ですのでそれを実績と言うのが、何処がおかしいのでしょうか?そんな事言い出したら、政治家は要らないという事になります。
    また、そんなに国とか道の支援なしで、寄付だけで本当にやっていけると思っているのでしょうか?
    国にも責任があったという言葉だけで、支援してもらもらうのが、当たり前とは思いません。
    そういう事を実行したのが、夕張市自身なので
    では、国、道の支援なしで、やってみろと言いたい。

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  5. kumakei 投稿作成者

    ふじさんさま
    コメントありがとうございます。「市長の実績というのがおかしい」とはどこにも書いてありませんよね。会社も自治体の首長も部下がやった事を実績というのは社会の通例ですから。~それはそういうものだけれど、職員の皆さんが頑張ったというのも事実ですよね。そして、国の支援ではなく、国の責任を果たしてもらいたいと言っています。2016年8月のシンポジウム、是非お読みください。そこに答えがあるように思います。もっと詳しいことが知りたければ、ブログの「資料(夕張財政破綻関連)」をお読みくださいませm(_ _)m

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